||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ|| -30ページ目

平成16年6月30日(水) 勾留51日目

 男が移監になってしまった。本当に、悲しい。


 彼には、本当にお世話になった。

 本を差し入れてもらったり、お菓子をもらったり、そしてそれでいて、何の見返りも求めなかった。

 私は彼の本名も知らないし、住所も知らない。そしてまた私も、教えていない。

 

 「損得を考えに入れないときに、心の刀が動くのです」と、昨夜言っていた。

 

 別れ際、何度も握手をした。 

 

 

 【 はぐれ刑事 最終回 】  注意! ネタバレ含みます

 

 ストーリーを精査すれば、若干の不自然さは否めない気がする。

 安浦を狙い、2人の姉妹を狙った男。普通ならあんなに長く逡巡したあと結局やめず、さっさと致命的な箇所に引き金を弾いていただろう。黒川とその一味も同様だ。


 しかし、ドラマという点では、いままでのファンに最大限配慮した作りになっていたと思う。

 大きな懸案であった、「安浦とママの恋」。

 ママと田崎刑事に、男としての安浦の煮え切らなさを重ねて語らせたうえで乾杯するシーンは、優柔不断だった安浦への「許し」と「受容」を象徴していて、しかもラストシーンでは、何としても結婚したかったママのほうに心境の変化があり、「安浦と結婚しない自分も満足である」としていた。

 

 また娘2人、すなわちエリとユカについては、エリは結婚、ユカは警察官になることが決定し、安浦からの自立が暗示されてもいたが、安浦は「自分の子である以上、自分がいる限りは世話をし続ける」としていて、娘たちが自立しながらも切れない父娘関係を推測させていた。

 

 結局、安浦刑事は死ななかったし、定年退職するでもなく、明日以降も刑事として山手中央署で働くのかもしれないし、ラストシーンの渋谷の街を眼前にした長い回想からすると、もしかして退職の決意を固めているのかもしれない(大怪我もしたことだし)。

 

 ラストはどうにも歯切れの悪さが同居するが、未来を示唆している点で、「安浦刑事よ 永遠に」という題名と符合するものがあり、考えうる限りベストのラストシーンであったと思う。 

 

 実年齢72歳で刑事役を続ける藤田まことを疑問視する声もあったが、劇中に何度も挿入された若き日の藤田まことは、ドラマの中で、実に美しく年齢を重ねていた。

 その藤田まこと氏にとっても、有終の最後であったと思う。

 

 

 【 忍び寄る警察国家の影 】

 

 元国家公安委員長、白川勝彦氏のウェブページ。

 渋谷で職務質問を受けたときの体験をつづってある。

  

 「犯罪の現場だろうが、今日のような警邏であろうが、一つひとつの現場は決してマニュアル通りにはいかないのだ。そこで、経験と臨機応変さが必要になるのだ。私は国家公安委員長時代、これからは“はぐれ刑事純情派"の藤田まこと(正式には、安浦刑事)のような刑事を大切にしていかなければならないといい、そのような制度を作らせた。それは、そういうことをいいたかったのだ」

 

 という記述がある。

 

 

平成16年6月29日(火) 勾留50日目

 今日は購入の日だが、切手2枚とハガキ1枚を買って、残り18円。

 ついに、何も買えなくなってしまった。

 

 夜になり、ジャクソンという不法滞在15年のガーナ人が入ってきた。 

 

  

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 保険金詐欺から、私が入るまえこの房にいたガーナ人の話を聞いていて、ひどい体臭があったということだったので、看守からガーナ人が入ってくると聞かされてから緊張していたのだが、やっぱり臭かった。

 向こうも緊張していたし、私も緊張していたが、男の計らいで握手させられ、寝る前には仲良くなった。

 

 

 【 はぐれ刑事純情派 ファイナル 】 

 

 今日が最終回だ。

 先週の予告では、なにやら衝撃的な映像があったが、安浦さんは死ぬのだろうか?

 もし安浦刑事が殉職するようなことがあれば、日本列島には大激震が走るだろう(ちょっと大げさ? はぐれ刑事好きなんだ、私)。

 


平成16年6月28日(月) 勾留49日目

 今日は調べがあった。刑事の話によると、○○さん(註・会社の元上司)からTELがあったそうだ。

 未払いの給料の件について、「会社としても預かりっぱなしという訳にもいかないから、どうしようかと思っていた」とのことで、実際のやり取りに関しては、留置管理課につないだという。


 その後看守に話を聞いたところ、「直接持っていくか、郵送するかについては検討中」とのことだった。

 直接○○さんに会う可能性があるとは夢にも思わず、気恥ずかしい限りであるが、なにはともあれ、こういった形で、まとまった金が入ってくるのは有難く、助かるばかりだ。

 

 調べは余罪に関してで、調書1本まいて、終わりだった。

 

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 この時点で、残金は1,000円を切っていたのである。

 なんか、切手やハガキを買ったり、こまごまとやり繰りしていたような気がする。

 菓子がないのも困るし、タバコがないのも寂しいことだが、留置場で金に困った人間が、とりあえず確保しようとするのが切手とハガキで、外部との連絡手段の確保はもとより、それで心当たりに金の無心をしたりするのである。

 

 

 

 【 テリー伊藤の「日本警察」改造計画 】  より (2)

 

 テリー 「天下りできるのはどのへんまで?」

 木 崎 「警視、警部あたりまでですね。警部補で辞めた人はまず難しい。天下りできない人は、警察からあてがわれて公園の管理とか、車庫証明の調査員とか。たまに「駐車違反をやめましょう」とかいうボードを持った人が立っていたりしますが、ああいう仕事も天下り先のないOBが雇われるケースが多いです」

 

 テリー 「コンサートとかのガードマンなんかは、警察を辞めた人がやってるってよくいうじゃないですか。」

 木 崎 「あれは、なぜかクビになった警察官が多い。クビになった警察官はガードマンか、ボクのようにタクシーの運転手とかが多い。署長、副署長クラスならガードマン会社の役員になれますけど。」

 

 テリー 「パチンコ屋さんとか、信号機の会社なんていうのはどうなの?」

 (以下は買ってください)

 

 私の元上司が言っていたが、元警察官ほど民間で役に立たない人間はいないということであった。

 なぜかというと、「人に頭を下げることを知らないから」だそうである。

 かなり納得できる話だ。

 今後、駐車違反の取締りが民間委託されたり、防犯や危機管理のスペシャリストといった面で、「元警察官」のニーズそのものはあるだろうが、それは前述の、「人に頭を下げる」ことを覚えてからの話になるだろう。

 

 あーそうだ。

 アマゾンから紹介料が72円入ってました。買ってくれた方ありがとうございます。

 これで金儲けするつもりは毛頭ないので、自分の面白いと思ったものをご紹介するように心掛けております。今後ともよろしくどうぞ。

 

 

 【 林真須美被告の控訴棄却 】


 う~ん…、どう考えても不当だ。

 だいいち、肝心の動機はどうなっているのだ。

 近隣トラブルぐらいで、夏祭りのカレー鍋にヒ素をぶっこむのだろうか?

 本人に何のメリットもないではないか。

 

 ロス疑惑最高裁判決を見ても明らかなように、状況証拠を積み重ねて犯人に突き当たるという方法は、絶対に無理がある。こんなことを許しては、日本の司法制度は終わりだ。

  

 

TB 眞鍋かをり歯医者に行く

 眞鍋さんは歯医者の予約をすっぽかして、それを気にしていたようです。

 

 歯医者は、「予約をすっぽかしても、予約なしで行っても、あんまりいい顔しない」んですよね。

 まあ当たり前か。

 

 ちなみに私は、歯医者は年に3回4ヶ月ごとか、年に2回半年ごとに行ってます。

 歯石取ってもらいに。

 ついでに虫歯が見つかれば、早期なので治療もすぐ終わるし、いいですよ。

 

 主な目的は、歯周病予防でしょうか。口臭の原因にもなるし。

 特に歯槽膿漏もワキガもないけど、自分がもし臭いを出してたら・・・と思うと、ゾッとする。

 口臭と体臭は、自分だけの問題じゃないと思うんだよなぁ。

 蒸し暑い日が続いてますが、ワキガなんてそうそう人に指摘できないもんね(口臭も)。


 ちなみに留置場では、ガーナ人の体臭がキツかったかな?

 まあ日本人でも臭い奴は臭いけど。 

 

平成16年6月27日(日) 勾留48日目

 今朝の運動の時間も、追突さんと話をした。

 彼は42歳で、「なんちゃってシステムエンジニア」だと言っていた。

 

 Windows ロングホーンとシャープのメビウスの話で盛り上がった。

 ここではパソコンの話ができる人がまったくいなかったから、楽しかった。

 

 夕方まで、よく寝た。

 飯もあり、タバコもあり、おやつもあり、心配事さえなければ天国なのだが・・・・・・。

  

 

 【 裁判の秘密  】 より

 

 最初から、警察に対しても、「いつもご迷惑をおかけして済みません。こんな時ばかりお世話になるようで恐縮ですが、ひとつよろしくお願いします」と頭を下げていれば、神奈川県警ももっと本気で動いたかもしれない。

 警察というのは、そこらのおじちゃんたちが権力を持っているというだけの組織なのだから、それなりに持ち上げてやらないと、絶対に動いてくれない(p.204)。

 

 

 【 テリー伊藤の「日本警察」改造計画  】 より  (1)

 

 「自分が刑事になりたいからといって、泥棒を何件も捕まえて一生懸命やっても、刑事にはなれません。刑事課長の引きがないと、絶対になれないんです」

 

 「仕事を一生懸命やってるだけではダメなんです。外交手腕がないと。生き方の不器用な人は、それこそ、定年まで交番で鼻水垂らして立っていなければならない」

 

 私の学生時代の友人も、北陸のある県で警察官になったが、頭も要領もそんなにいい方ではなかったので、もしかしたら定年まで鼻水垂らして交番に突っ立ってることになるのかもしれない。

 最初は民間を目指していて、簿記学校に通って細々と資格を取ったりしていたのに、「公務員」なりたさに突然警察官になってしまった。

 そういう人が、いま多いのだという。

 

  

 【 今日の雑感 】

 

 昨日は私の住んでいるマンションで、一斉清掃があったのだが、敷地から不審な自転車が出てきた。

 自治会長が警察に電話して、中年の警察官が1人自転車に乗って来たが、防犯登録の番号を控えた後、

 

「私明けで、要するにもう交代の時間なんですよ」

「(私)あ、それじゃ眠くてしょうがないですね」

「そう、眠くてしょうがない。まあ帰って次の人が照会しますけど、それで持ち主に連絡つかなかったら、自治会のほうで処分してもらうしかない」

 

 自転車に乗り帰ろうとする警察官に、


「(私)お巡りさん、いま何時間ぐらい勤務してるんですか?」と、興味本位に聞いてみたら、

「う~んまあ仮眠が2時間あるんだけど、15時間ぐらいかなぁ」

うっわ、大変ですねー、という声が、住人たちから上がった。

 

 清掃参加者に買ってあったジュースが残っていたので、どうぞと差し出したら、

「あーいいですいいです! 汗かくだけだから」と言って、受け取らなかった。 

 

平成16年6月26日(土) 勾留47日目

 運動の時間、追突さんと話をした。

 彼が入ってきてから7日になっているが、すでに有給を使い果たし、月曜からは「病欠」ということにするらしい。もう1勾留フルについたら、「10日間の病欠」というふうに会社は解釈することになる。

 「大病した健康不安の人間(本当は違うけど)」を、将来的にもっと上のポストに会社が就かせるかというと、これは微妙で、出世にも影響しかねない。

 

 「子供はまだ3歳にならないし、このまま続くと、女房との離婚も考えなきゃならない」と沈痛だが、追突された被害者の怪我の程度はむち打ち程度らしいし、1勾留の残り10日で、パイになりそうな気配だ。

 

 パイされたあとの仕事振りいかんかもしれないが、酒ぐせ相当悪いみたいだし、大丈夫かなぁー。


 風邪が大流行で、追突さんは声ガラガラ、保険金詐欺も男も私も、ゲホゲホやっている。

 

 

 【余白メモ】

 

 タバコ吸いだした

 

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 この日、2年以上やめていたタバコを吸いだしたのだった。

 運動の時間、みんながプカプカやっているのが、うらやましく見えたからだ。

 留置場には、読書と喫煙という2種類の娯楽しかない。

 タバコを吸わないことが、人よりむなしい思いをしているという気分に、どうしてもなってしまったのだった。


  

 【 日本警察改造計画 】

 

 テリー伊藤は他にも、「お笑い日本共産党」、「お笑い北朝鮮」、「お笑い創価学会」といった、ある意味日本のタブーに触れる著作を多く出している。

 それらのタブーに触れながら、氏が攻撃されないのはなぜだろうか。 

 それは、氏が書き手としての自分を、「批評者」としてではなく、「傍観者」という立場に、一貫して置いているからだ。

 そして内容をパロディー化することで、当事者の団体にしても、「自分たちのイデオロギーを、傍観者が面白がっている」というふうにしか捉えられないから、氏はこれら団体から釈明を求められたり、攻撃を受けたりすることがない。

 イデオロギー闘争に話を持ち込ませないという点で、テリー伊藤は、実にクレバーな男である。



テリー伊藤の「日本警察」改造計画


警察はなぜ堕落したのか  (これは超おすすめ)


(2冊あわせて読むと面白いです)

平成16年6月25日(金) 勾留46日目

 今日は、当日の状況を再現する実況見分の日だった(余罪分)。

 担当の鑑識官は男で、あの女の人は、現場に出ているそうだ。

 

 男は珍しく、調べに出ている。面倒見(註)だろうか。

 保険金詐欺が水曜に医者にねだった眠剤は、却下された。

 理由は、係官が様子を見にきたときに寝ていたから、だそうだ。

 

 「昼間寝ないで、夜寝るようにして」という言葉に、「夜眠れないから、昼間寝てるんですよ!」と、激高していた。

 不眠症の辛さは、なった人でないと、絶対に理解できないものだ。

 

 午後、弁護士宛に手紙を書いた。

 1.金品の差し入れを親族に説得してもらう件  2.被害者との示談の件  3.量刑の見通し

の3つを聞きたいので、近々に来てくださいという内容であるが、今日出せば週明けには着くだろうから、丁度よいだろう。

 

 

 【 面倒見とは 】

 

 読みはそのまま「めんどうみ」。

 調べが終わったあとも、折を見て担当刑事が取調室に連れ出し、世間話をしながら お茶を飲ませてくれたり、タバコを吸わせてくれたりすることのこと。

 以前は1日1回、10分程度あったらしいが、最近は、被疑者への利益供与うんぬんということで どこも厳しいらしく、せいぜい2~3週に1度、書類訂正などの用事をわざわざ作って出してくれるようだ。

 

 これも以前の話だが、前は刑事が留置場まで入ってきて、被疑者の受け渡しをしていた。

 それが、例の「代用監獄」問題(留置場が捜査の延長になり、被疑者に過酷な負担を強いる)が人権侵害であるという弁護士連合会や国際アムネスティの勧告を受けて、一応捜査部署と留置管理部署は形の上で、分離された。

 しかし、取調べが同じ建物内で行われること、看守も警察官であること、取調べの時間を問わないこと、などから、被疑者には大きな精神的・身体的負担が掛かっていることは従前と同様であり、ほとんど意味はない。

 

 

 【 田吾作様よりその後についてメール頂きました 】

  

 

 その後、何回かの話し合いの末、拘束事件に関わった人物の名前と
所轄の署の役職名、警察官の通し番号(筆者註2)までは、上司である署の幹部より
報告を貰いました。
 
 叉、その時に撮られたポラロイド写真も回収出来ました。当然ですが、
肖像権は私に有るのですから。
 
 そのとき警察官は、私の腕時計に損傷を与えたので弁償させました。
 「時計のガラスに傷がついたのでその研磨代相当額」を支払わせました。
 もう少しボ ッておけば良かったかなとも思っていますが。
 因みに7500円「時計の値段が11000円」です。それさえも、
役所の習性か署名と捺印をさせられました。
 
 まぁ、その現場を見られた人間が一人だったのが不運だったか、大勢の前で恥を
掻かかされてなかっただけ救いがあるのかは疑問に残りますが。
 カネ貰って社会勉強出来たと思うしかないのは残念ですがこのあたりが時間的にも
労力的にも現在の私が出来る妥協点かなと思っています。
 
 いろんな提案を頂き有難うございます。
  田吾作でした。

  

 【 アンダーアレストより 】

 

 普通なら何をされても、「警察」、とりわけ「警視庁4万人」を相手に戦おうなどとは思えず、泣き寝入りしてしまうところでしょう。

 今後、「反警察的」、「反体制的」という目で見られ、当局にマークされる可能性はありますが、それを差し引いても、「正しいことを根気強く主張すれば、道は開ける」ということと、「警察を向こうに回してやりあった自信」は、貴重なご経験になるかと思います。

 メールありがとうございました。


 (註2) 警察官が右胸に付けているバッジのこと。「TH93856」のように
固有の番号が振られており、苦情の際などに市民から個人が識別できる
ようになっている。

平成16年6月24日(木) 勾留45日目

 朝食後、扉に立っていたら、隣房の例のまじめ風サラリーマンが引き当て(現場検証、引き当たりともいう)にいくところだった。

 何やったんですかと聞いたら、どもりながら「い、飲酒追突・・・・・・」という答えが返ってきて、つい吹き出してしまった。

 酔っ払っておかまを掘った、その場の彼の慌てぶりを想像してしまったのだ。

 私は酔っ払って警官の腕を振りほどいたといった程度の公務執行妨害を予想していたのだが、まあいずれにせよその程度であれば、入って20日(2勾留)だろう。


 家ではさぞ奥さんが怒っているだろうが、逮捕といってもピンからキリまであるし、その中身が大したことないのであれば、大目に見てやってほしいと思う。

 今のご時世、ちょっとした拍子、もののはずみ、ということもあるのだから。

 

 のどの調子が少しおかしく、痰が絡む。

 ここでは今、風邪が大流行している。

 狭い場内にギッシリ押し込まれているので、1人風邪を引けば、あっという間に端から端まで広まってしまう。

 予防の基本中の基本、うがい手洗いすら、自由にできないのだから、当たり前だ。

 

 16時近く、追突さんがまた手錠を掛けられて、出て行った。今度は調べだという。

 疲れましたかと聞いたら、弱気な声で、「いや・・・疲れるどころではないですね・・・・・・。なんかいろいろ考えちゃって」と言っていた。

 

 やはり「仕事を失う」という恐怖が、いちばん大きいのだろう。それは私もそうだったし、同情してしまうが、刑事に言わせれば、これも全て「自分が蒔いた種」「前に進むしかない」という、当人にとってはまったく救いのない、無味乾燥な答えが返ってくるだけだ。

 

 しかし彼は、「家内が・・・」と言っていたように、妻があり、おそらく子もあるだろう。

 その絶大であるだろうプレッシャーは、独身の私には、想像ができない。

 

 保険金詐欺が、実兄に手紙を書いている。金の無心だ。

 詐取した相手の損害賠償分、300万だそうだ。

 チラリと見えたが、強調した大きな字と短い文章、頻繁な改行で、それは手紙というよりむしろ、陰鬱な散文詩のようであった。

 

 

成増の爆殺少年(2)

 成増の爆発少年の続報、誘爆を容易にするために、電熱器の上にはスプレー缶が置いてあったという。

 言動をざっと拾ってみると、やはりなんというか、興味深い。

 

 母親を殺害した理由 → 「死にたい死にたいと言っていたから殺してやった」

 

 今の心境 → 「反省している」

 

 草津温泉に行った理由 → 「温泉に入りたかった」

 

 その前夜、軽井沢に1泊した理由 → 「温泉を探したけれども見つからなかった」

 

 一晩中明かりを点けていた理由 → 「幽霊がこわかった」

 

 周到に計画されているようで、撒いた油はエンジンオイルだったり(むしろ燃えにくいんじゃないだろうか)、凶器に使った包丁は持ち歩いていたり、宿帳に本当の住所を記入したり、幼稚な一面も垣間見せる。

 翌朝、旅館の従業員が「お食事の用意ができました」と部屋に電話をすると、15歳のくせに浴衣姿で出てきたという。

 まるでカミュの異邦人だ。

  

 福岡でも中学生による兄殺しがあったが、あれはこの事件に誘発されたんだろうなと思う。

 私はこれらのニュースを興味しんしんで見ているが、なぜかこの2つの事件には、まだ救いがあるような気がする。

 幼児投げ落としや学校襲撃、児童を狙った誘拐や性犯罪といった事件で感じる、空恐ろしさと底知れない不気味さを、なぜだかあまり感じないからだ。

 それはこれらの事件が、他人や弱者ではなく、「目上の強者で家族」を対象としているからだろう。

 

 いい年をしたオバサンが、夫婦ゲンカで興奮して乳児を投げ落とした事件のほうが、よっぽど異常で、怖い気がする。

 

 しかし15歳ぐらいで両親ともいなくなってしまったら、のちの人生は相当ハードで、さみしい思いもしなければならないはずだが(ひとりっ子らしい)、そのへんは不安ではなかったのだろうか?

 もしそのあたりも覚悟していたのだとしたら、そのへんの大人よりもよっぽどいい度胸と根性をしていると思うのは、私だけだろうか。

 

 

 【 住み込み管理人 】

 

 かなり大変な仕事のようだ。

 私の中学校のときの同級生の家でも昔やっていたようだが、本当は旅行は禁止されているのに旅行に行ったその日に、折悪しく建物で火事があり、クビにされたという。

 なぜだかツボにはまって、ゲラゲラ笑っていたら、そいつが「なにが面白いんだ!」と怒り出したことで、今も覚えているのだ。



疑問・質問にお答えします Part 2

 日記が結構すすんできました。

 アメブロの長期メンテナンスが迫っていることもあり、ここらで一区切りもいいかなと思い、

 「疑問・質問にお答えします Part 2」を入れることにしました。

 コメントでお寄せくださった分に、コメントでご回答致します。

 

 もちろんここにコメントしていただくことも結構ですが、毎日更新される日記中に疑問を感じた場合には、その日の分の日記に、質問コメントしていただいても結構です。

 

いくつかお願いです


 1. 短くてもコメントの題名をつけてください(「無題」となって、カッコ悪いのです)

 2. 日記を注意深く読んでください(質問しようとすることの、回答となっていることも多いはずです)

 

 

 

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