表と裏
なんだかとんでもないブログ を見つけてしまった。
さりとて特別なブログではない。ごく一般的な人が、ありふれた経験を書いていると言ってもいいだろう。
「呪いの杖」という一文がある。
足が不自由な筆者が電車で空いている席に座ろうとしたところ、50がらみの年配者がむりやりにそこへ座ってしまった。
腹立ちを覚えた筆者は、自分がついている杖でもって、一撃を加えられないかと考える。
全体重を掛けて、電車の揺れに任せて最大限の一撃を加えられないだろうか?
これは、相手に対する「しつけ」でもあるのだ…。
それに対して、批判的なコメントがつく。
いくらマナーが悪くても、暴力を用いるべきではない。言葉で諭すべきだ。
故意か偶然か分からないようなやり方で相手にダメージを与えるような方法は、卑怯で姑息である。
それに対して筆者は、コメントの削除やアクセス禁止などの措置を取る。
コメンターは、「www」などの記号を使って挑発し、執拗に書き込みを続ける。
このコメンターの正体とは……。
別のコメントに示されたリンクをたどると、このコメンターの正体に行き着く。
正体と背景とを知った途端、私は慄然とした。
筆者はIT企業勤務ながら、オーケストラのマエストロの経験もあり、会社でもそこそこ出世しているようだ。
しかし、人間というのは、つくづく複雑で怪奇な「表と裏」の表情を持っているものだと思った。