「全国矯正展」に潜む罠
「第47回全国矯正展」が、科学技術館で開かれている。
手元の資料によれば、どうも「女子刑務所の模擬房」「女子刑務所の刑務作業体験」といった、女子刑務所に焦点を当てた展示が目に付く。
全国に5つしかない女子刑務所ばかりに焦点を当てるのは、日本国憲法に定める「両性の本質的平等」に照らして考えてみても、フェアではない。
では、なぜか?
「大衆に知られたくない真実がそこにある」からだ、と私は考える。
元女子刑務所刑務官、藤木美奈子氏の著作などによれば、女子刑務所の処遇は、相当にゆるい。
刑務官と日常会話を交わしたり、軽口を叩いたり、嬌声を上げたりするのは日常茶飯事だ。
時おりテレビ番組で、深く罪を悔いる彼女たちの姿とは逆の、明るい彼女たちの姿がそこにはあるのだという。
では、男子刑務所はどうか?
「懲罰」。
背筋を伸ばした姿勢の正座のまま、日の出から日没までを過ごさせられるもの。
喧嘩などはもちろん、刑務官と目が合ったり、作業中に許可を得ず喋ったりしても、懲罰だ。
「戒具」。
左手を腹の前、右手を後ろに回した姿で拘束され、足は正座。食事はその姿勢のまま、犬のように食う。
「虐待」。
名古屋刑務所では、肛門からホースで水を送り込まれた受刑者が、腸管破裂で死んだ。
闇が、そこにはある。
国家が大衆に知られたくない、前近代的な闇だ。
そこに、全国矯正展の意味はある。
大衆に真実を知られないための、プロパガンダである。