平成16年5月24日(月) 勾留14日目 | ||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ||

平成16年5月24日(月) 勾留14日目

 月曜日になった。だからといって基本的には何も変わらない「食っては寝る」の繰り返しなのだが、平日は検察庁行きなどがあるので、雰囲気が慌しく、この方が「時間が過ぎている」という実感がある。


 今日はひげそり・つめきり・耳かきの日でもある。が、正直ウイルス感染が怖い。

 不法滞在中国人はHBV(B型肝炎)キャリア(保菌者)だし、空手チョップはHCV(C型肝炎)キャリアだと言っていた(刺青、タトゥーは針から感染する)。


 唯一の自衛手段は、「傷をつけないこと」に尽きるだろう。ウイルスは、傷口から多く感染するからだ。

 つめは、深爪して血を出さないように。親指にはあかぎれを作らないように。ひげそりで傷をつけないように。など、数え上げればきりがない。

 また、ほんのわずかの日照ではあるが、日光にも当たるようにしている。日光がないと、体内時計が狂うし、ビタミンDが合成されない。


 房内では、水も自由に飲めない。担当さんに言って、共用のコップに水を汲んできてもらう。

 だが、なるべく汲む前にコップをよくゆすいでくれる担当さんにお願いするようにしている。

 30人超の被留置者に対して、共用のコップは3つしかないからだ。


 午後、会社の○○さんから手紙をもらった。

 会社には、というか、○○さんには本当に申し訳ないことをした、と思う。

 ○○さんは50代半ばだが子供がおらず、私のことを息子のようにかわいがってくれていた。今回も忙しい中、これだけの筆を執ってくれた。迷惑の掛け通しだ。

 「あちらを立てればこちらが立たず」という。社会はどこかでつながっている。

 一方で利己心を満足させながら、会社でもうまくやる、「あちらを立ててこちらも立てる」などというわけには、いかなかった。

 封筒には、自宅の住所が書かれている。

 達筆の直筆の、見慣れた筆跡を眺めていると、自分の情けなさに、涙が滲んだ。

  

 

 【余白メモ】

 

 兄に手紙〔出〕      ○○さんに手紙〔出〕    発信 1日2通まで


 ※ 留置場は、仕事をしなくても3食食べられて、雨風もしのげる。

    なんか矛盾してるなぁ。

 

 

 【 ○○さんからの手紙 】

  

 前略

 先日、××警察署の○○様から御連絡を頂いた時は、本当に驚きました。「頭をハンマーで殴られた」様な気持ちでいっぱいでした。

 私は○○君には、「大きな期待」「信頼」をしていたので、本当に残念で仕方ありません。

 今はお客様に対しても、社内でも誰にも何の相談も出来ないでいる私の心中を察して頂けると思います。

 

 (中略)

 

 今回の件でよく反省をし、償いをして、今度は○○君の「素晴らしい才能」を「世の為人の為」に役立てて欲しいと思います。

 晴れて連絡が出来る様に成りましたら、私宛に必ず御一報下さい。待っております。

 捜査に協力をし、一日でも早く社会復帰が出来る様、心より待ち望んでおります。

 健康にはくれぐれも気を付けて、元気を出して頑張って下さい。

 

                                             平成十六年五月二十日

                                                   ○ ○ ○ ○