平成16年5月22日(土) 勾留12日目
昨日は便通が4回もあった。かと思えば、今日は朝から下痢だ。
留置場のトイレの壁は、透明なアクリル板で、ドアも右隅を切り取ったように、三角に開いている。
自傷行為防止のため、音も含めて中の様子が分かるようになっているのだ。もちろんカギもかからない。
十分嫌だが、昔に較べればマシだと思うようにしている。昔私はバイク事故で数ヶ月間寝たきりだったが、その際には4人部屋で、しかもベッドに寝たままで、便器を使って用を足さなければならなかったからだ。
その後運動。壁に囲まれた10畳ほどのスペース(外は見えない)で、喫煙者は2本だけ、自分で買ったタバコを吸えるのだ。火は警察官が点けてくれる。警察官にタバコの火を点けさせるとは、場所が場所でなければ殿様気分だ。
ほかにも監視の警察官が何人もいるのだが、その中の2人が、「あーぁ、俺も大学行っときゃよかったよ」と言い合っていた。2人とも、20代半ば過ぎくらいだろうか。
私の前では同房の保険金詐欺がしゃがみ込み、別房の車泥棒となにやらヒソヒソ話をしている。
坊主頭に白髪が多く混じる保険金詐欺は、×大商学部卒だ。
「大学出たってこんなもんなんですよ」と思ったが、言えなかった。大学出たって馬鹿なのは、私も同じだからだ。
そういえば昨晩、看守が書類を持ってきた。
それには、「被疑者取調未了」「関係人聴取未了」「実況検分未了」などと書かれており、要するに「勾留を10日間延長する」というものであった。ガックシ。
【余白メモ】
運動の時間に月水金、ひげそり、つめきり、みみかきできる。
【過去の過ちを振り返って】
留置場では、被留置者の自殺防止ということについては、徹底されている。
入房時には、服についているヒモは抜かれる。
房内には、ハンカチ以外は持ち込めない。
房の鉄格子には目の細かい金網が張られ、モノが吊れないようになっている。
房内は、ただのコンクリートの四角い箱という感じで、何も出っ張りはない。
トイレ内も、配管はすべて壁の中に入っており、何も出っ張りはない。
ドア取っ手のネジに至っても、ネジの頭が溶接で焼き潰されていて、ネジが取れないようになっている。
しかし、私はそこで考えた。
基本的に房内では、ジャージとかの部屋着だ。
ズボンで首を絞めたら、どうなるだろうか?