平成16年5月16日(日) 勾留6日目
留置場の朝は7時起床だ。突然蛍光灯が明るくなって、監視の警察官が20人ぐらいドヤドヤと入ってくる。
その後ふとんをたたみ、1房ずつ出され、留置場の端にあるふとん部屋にしまう。
ホウキ2本、ちりとり1個、ぞうきん1枚、トイレブラシ・バケツ・ぞうきん1組、を貸し出され、房内の掃除。
「房内を掃いてゴミを掃き出す」 「畳を拭く」 「トイレ掃除」 「掃き出したゴミを捨てる」に分かれて、掃除をする。房内のゴミは、ほとんどが髪の毛か体毛だ。
壁には、黒いすじがいくつもついている。
紙で拭くなりすればよいものを、わざわざ壁に指印のインクをなすりつけるからだ。
昨日の夜中に入ってきたのが、117だ。
空手経験者だというが、酔っ払って内縁の妻に暴行し、顔面陥没骨折、左目失明寸前、肋骨骨折の怪我を負わせたのだという。「俺、酒飲むとダメなんだよなぁ」と、反省しきりだ。
私は酒がほとんど飲めない。
だから、直接の酒害であるアルコール依存症や、酒にまつわる喧嘩、暴行傷害などとは、なんとか無縁に暮らせるのが幸いである。こういう話を聞くと、さらに思う。
元ヤクザらしく、両肩にはすじ彫りがあった。
拘置所で、同房者にリンチを加えた話などをしてくれた。
すじ彫りを、にーちゃんそりゃぬり絵か? 俺にも塗らせろよ、などと言われて、キレたのだそうだ。
「シャバじゃ真面目なトラックドライバーだったんですから」とは、言ってたけど。
「刑務所はオナニーできるんですかね?」と聞いたのだが、「見つかれば陰部摩擦でパクられて懲罰」なんだそうだ。
ムショのオナニーの心配してる奴も珍しいよ、と言って、笑った。