平成16年5月13日(木) 勾留3日目
朝食後、○○区検に護送。新検と呼ばれる検事調べ。
鉄格子の小部屋のベンチ(駅のベンチみたいだ)に7人が座り、腰縄手錠のままで待つ。
別の警察署にいる隣の奴(MDMA、通称バツ所持らしい)がワキガで、とてもつらかった。
自分の番が来るまで、ひたすら待つだけだ。
看守の警察官が1人いる。
30分交代で、我々の世話をして房内に水かお湯を入れたり、トイレの際にはもう1人呼んで房から出す。
小便は両手錠のまま、大便は片手錠だ。大便の場合は、「水を流しながらやれ」と言われる。トイレの外では、窓に向けて扇風機を回す。房に大便臭が行かないための配慮だ。
トイレは部屋の中にある。女がトイレに入るときには、我々の房に目隠しカーテンが下ろされる。
私は居眠りをしてワキガに何度か寄りかかってしまい、「うっぜえよ」と言われた。
ワキガは首周りと腕周りに、派手なタトゥーが入っている。
もう1人タトゥーがいて、「首やるときが一番辛くて、後で熱が出た」というような話をしている。
昨日までの私が、まったく聞いたことのない世界だ。
昼は留置場と同じ弁当だ。
片手の手錠だけが外されるが、腰縄はついたままなので、不自由だ。
床に座り、ベンチに弁当を置いて食っている。
「○○でいじめられて(本人談、殴られての意味だろう)、交番に行ったらオーバーステイで逆に捕まった」という間抜けなパキスタン人(武蔵丸に似ている)がいて、カラチとラホールの話を少しした(私はパキスタンを一人旅したことがある)。
検事調べのため房から出され、警察官に腰縄を持たれ、検事室に移動。
途中、廊下の長いすに座っていた、ヤクルトを売りに来たヤクルト奥さんと目が合った。
うんこでも見るような目をされた。
検事調べは逮捕事実に間違いはないかという点のみの、簡単なもの。
「えー、私がやったことに間違いはありません まる 今は てん 大変反省しております まる」などと検事が言って、そばにいる検察事務官がそれをパタパタとPCに打ち込んでいく。
プリントアウトされた調書に、署名指印。指印すると、途端に検察官の態度が柔和になる。
それほどまでに、署名指印は、「本人が認めた」という絶対的効力があるのだ。
「あの、検事さん。自分のことで申し訳ないんですが、このままでは31日締め切りの社労士試験の申し込みに間に合わなくなるんです。どうすればいいでしょうか?」と聞いたら、「誰かに差し入れしてもらって、代わりに申し込んでもらうしかない。今はそうとしか言えないねぇ」ということだった。
また小部屋のベンチに戻り、連れてこられた全員が終わるまで、ただ待たされる。
全員が新検なわけではないし、検事は途中で公判が入ったりするから、待ち時間は膨大だ。
逮捕されると、それまで普通の日常生活をしていた人間が、突然「失踪」することになる。
そのため、裁判所から「この人は勾留中です」という通知を出す人間を、1人だけ指定できるから、それを書けという。
私はとりあえず、兄の名前と住所を書いた。
ワキガはしばらく考えていたが、結局誰も書かなかった。
夕方まで待たされて、裁判所。
房から出され、各人の手錠の中央の輪に太いロープが通され、両端にいる警察官の腰につながれ、その集団を数人の警察官が監視する。階段を下りるときは右側の壁に沿って歩けと命令される。
裁判所は検察庁の隣にあり、検察庁の裏口から出て、裁判所の裏口までゾロゾロと歩く。
通されたところは法廷ではなく、テーブルとイスがあり、書記官が1人いる普通の部屋だった。
人定質問のあと、白髪の裁判官(法服ではなく、背広を着ている)に、「勾留されれば、職、収入、住居と失うものが多く、逮捕容疑に比べ過酷過ぎる。私は職に就いているし、住居も安定しているし、逃亡や罪証隠滅のおそれもない。なので、勾留を許可しないでください」と述べたのだが、「それは検討してみますが、インターネットを利用した犯罪だということと、事情もいろいろあるようですし、そのへんもお聞きしなければなりませんので、勾留の必要性はかなり高いと思います」とのことだった。
で、あっさり10日間の勾留となった。ヒドイ。
【余白メモ】
いびきがうるさいとまた言われた。
明け方、枕元に92が座っていた。
いびきのせいで眠れなかったらしい。
申し訳ないとは思うが、自分でもどうしようもない。
警察庁ホームページより
(実際は右が頭になり、3~4人詰め。右窓後ろが便所。
私がいたところは壁の幅全部がアクリル板だった。)
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平成17年5月13日(金)
私も、6歳の少女を監禁している。
ひとけのない神社に1人でいたところを、連れ去ったのだ。
首輪をつけ、私のことは「ご主人様」と呼ばせている。
3度逃亡されたが、いずれもすぐ連れ戻した。
今ではすっかり、逃げ出す気力も失せたようだ。
これがその写真だ。
猫ですけどね。
(不謹慎なことはよく承知しております。どうもすいません)